会員の皆様には、日頃より弊会の諸活動にご理解とご協力を頂き誠にありがとうございます。
さて、弊会の事業活勤も本年10月より新年度に入りました。昨年度は弊会本部でも各地区の研究会を訪ねさせて頂き、改正された規約に沿って会員資格の説明や正会員の募集依頼、また法人化運動の現況説明などを行わさせて頂きましたが、懸案とする弊会の組織づくりの為に、今後も地区研究会との問で密接なる関係が構築できるよう努めて行きたいと考えております。
また対外的にも、昨年度は日本薬剤師会をはじめ日本漢方協会、日本生薬連合会などの関係団体を訪問し法人化に向けての支援要請を行いましたが、今後これらの団体に対してもさらなる働きかけを行い、法人化実現の為の条件整備に努めて行かねばなりません。会貫の皆様もご存知のように、過日開催されました第29回日本漢方交流会全国学術総会京都大会は、約500名の大会参加者を得て大成功のうちに終了致しました。
今大会ば京都漢方研究会がホスト役を努められ、大会の準備ならびに開催運営に多大なご努力を賜り、藤村大会会頭をはじめ京都漢方研究会の諸先生に対し、この紙面をお借りして心より厚く御礼申し上げます。誠にありがとうございました。次回学術総会は第30回の記念大会となり、すでに広島での開催が予定されていますが、その概要についてば交流会ニユースで機会を改めて掲載させて頂く予定です。
さて本紙に掲載の事業計画要旨のとおり、弊会でば本年度より事務局事務所を正式に設置し、また事務局員を常務させて事務局機能の強化を図るとともに、法人化に向けた実務作業の遂行をはじめ、会員に対するフォローアップ業務の強化、関係団体との連絡協議、収益事業の検討など、昨年度に増して積極的な取り組みを志向しております。
これらの事業の推移についてば、本紙「交流会ニユース」を通じて会員の皆様にもできるだけご報告させて頂けるよう、発刊囲数も年間5回程度を見込んでおります。
最後に、弊会の規約には「本会は、東洋医薬学に関する研究の発展を図り、東洋医薬学の進歩普及に貢献し、あわせて会員の親睦を図り、もって国民の健康の増進と保持に寄与する」という組織目的が定められていますが、今後もこの目的に沿って諸活動の発展的な拡大を期して行くためには、人の集まりである我等が日本漢方交流会により多くの方々の参加を得らねぱなりません。その為にば、一人でも多く方が正会員として弊会に加入して頂けるよう、会員の皆様の積極的なご支援をお願い申し上げます。そして皆様と共に手を携え、より機動的な組織づくりと法人化を早期に実現させ、薬系漢方の確立に向けて邁進したいと願っております。今後も会員の皆様のご理解とご支援を切にお願い申し上げる次第です。
平成8年度事業報告
☆事業の総括
平成8年度における日本漢方交流会の事業は,昨年11月12日に開催された通常総会で決議された事業の基本方針に基づき実施した。
すなわち,
1.法人化実現のために会務運営に全カを傾注し,また各地区研究会に対する法人化の趣意説明を促進して行く。
2.学術強化のための全国学術大会の開催と,「金匱・玉函」等の発刊。などを中心とした事業の実施である。
なかでも,法人化の実現は長年の懸案事項であり,本年度は主務官庁となる厚生省に対し吉峯顧間弁護士が積極的に働きかけられ,法人化実現への間口も現在大きく開きつつある局面を迎えている。
また,法人化に向けての各地区研究会の理解促進については,本年度は弊会本部役員が各地区の研究会の事務局や役員会を精カ的に訪問し,相互の意思の疎通に努めた。
しかしながら本年度事業の実施を省みても,各部門における事業の公益性の強化や,事務局機能の整備をばじめとした組繊の充実,さらに財政基盤の安定化など,多くの解決課題を抱えていることば否めない。
それゆに今後は,さらに法人化の早期実現を期するために弊会の事業・組織・経営面での内実を整え,申諸業務を円滑ならしめることに力を注いで行かねばならない。
☆事業報告
1.第28回全国学術総会今治大会の開催
弊会々員が中心となって広く在野から東洋医薬学従事者が参集しておこなわれる「全国学術総会」 は,日本漢方交流会がめざす「東洋医薬学に関する研究の発展」を具現化して行くで重要な位置を占 めている。
この学術総会もすでに過去27回の開催を積み重ね,本年度の第28回大会は陰陽会が大会の実行 母体となり,平成7年11月11日・12日の両日にわたって開催した。本年度の今治大会は,「老年病 の漢方治療」を大会テーマに掲げ,中華人民共和国上海中医薬大学の林副校長を講師として招聘し て特別講演を実施し,また小川大会会頭による講演や地区研究者代表による研究発表をおこなった 。なお,今治大会への参加者総数は190名であった。
2.学術研修本部
学術研修本部では,本年度も「間違いやすい繁用類語の判別について,漢方用語辞典の形式を採 らない独自形式のガイドプツクの制作」をめざし,各研究会の用語委員及び有志による委員会を構成 して練集に取り組んだ。その研究成果は,選定用語の組み合わせ方法や選択方法などについて,機 関誌金匱及ぴ学術誌玉函を通じて紙上発表した。また,各研究会独自によるものや個人による漢方 学術書の縮纂に対レ,交流会の支援要請をはじめ,一定資格者及び有志による定期的な学術論議 の場を設けて行くことなど,学術発展に関する提言を定例理事会に上申した。
3.学術誌(玉函)編集委員会
日本漢方交流会が独自に発刊する学術誌「玉函」もすでに13号を既刊している。学術誌編集委員 会においては,本年度も「積聚病の研究」をテーマとした第14号の発刊に向けて,会員及び学識者 からの原稿募集と記事編集をおこなった。現在すでに500部の印刷は完了し,事務サイドによる本年 度入会の正会員確定作業の完了とともに会員への配付をおこなう予定である。
4.称号認定委員会
平成8年度における認定委員会は,
1.称号認定は,同制度実施以来第4回目の書換えとなり,平成9年度までに実施初年度みなし認 定者の取り扱いについて,法人化移行時の称号認定制度の在り方とともに,十分論議を重ねて最良 の基本方針を確立して行く。
2.その上で,交流会活勤の基本運勤としての称号認定制度の活性化を図って行く。
3.定例認定委員会の開催を恒常化し,質量ともに充足した称号取得者層の拡充に努めて行く。
などを目標に,以下の活動に取り組んできた。
(1)平成8年6月未には大阪市内にて,役員3名・地区委員3名の参加により称号認定委員会を開催 し,本年度称号認定申請者の審議をおこない14名の資格を認定し,また称号取得者の会員資格に ついて基準を設けた。
(2)同じく,「認定制度規約」を法人化を前提とした交流会規約に連動したものに見直し,その改正案 を作成し7月の定例理事会に上申した。
(3)同じく,地区委員の廃止と各研究会ごとの称号認定担当者の設置や認定委員会の構成などを取 り決めた。
(4)同じく,平成9年度更新の初回見做し称号取得者の取り扱いについて協議し,不足小論文の発 表等による認定処置を取り決めた。
(5)また,続いて開催された本年度の第2回の称号認定委員会では,加入年数が浅い研究会の所 属会員からの称号取得申諸について,どのような申請基準を設けるかぺきか検討をおこなったが,結 論は次回会議へ持ち越しとした。
5.新組繊開設特別委員会
弊会が規約に定める「東洋医薬学の進歩普及の貢献」をめざす上で,これに賛同する地域における潜在会員の掘り起こしと地区組織の開設は必要不可欠なものである。
この課題に取り組むため新組織開設特別委員会では,本年度の事業として以下の活動をおこなった。
1.平成8年5月に「北海道漢方研究会」の拡大準備会を開催し,地元中核者との間で会長の人選 や就任要請の検討をはじめ,道内での関局薬局に対する入会呼びかけ等について協議した。
2.「奈良漢方研究会」の創設準備活動として,約10名を想定した蘭設準備委員の就任要講の進 め方や,第一回の準備委員会の開催等について検討協議した。
3.「滋賀漢方研究会」の創設に向けて,滋賀県薬会長に対する開設要講をおこなった。
4.東北地方及ぴ北関東地域における研究会新設の呼ぴかけは,現在継続して実施中。
6.民問薬対策特別委員会
民間薬対策特別委員会は,1aで規制され薬局での販売ができなくなっている民間薬の自由販売に向けて,これまで所管官庁である厚生省に対し陳情をおこなって来た。
本年度の事業計画では,政治的支援を得てさらに陳情を拡大して行くことをめざしていたが,任意団体として社会的な力の脆弱さは否めず,法人化の実現を待って本格的な陳情活動をおこなうこととした。そのため,本年度の活勤ば現在休止中である。
7.総務委員会
総務委員会では平成8年度の事業として,次の諸事業を実施した。
1.規約に定められる通常総会・定例理事会・評議員会等の会議開催のため,その準備及び開催に関わる諸業務をおこなった。
(1)平成7年11月12日に,通常総会を問催。
(2)平成8年1月15日に,理事及ぴ評議員による合同役員会を開催。
(3)平成8年7月20日に,定例理事会を開催。
2.会員に対する情報発信の機会を増大させるために,従来の機関誌「金匱」を速報ニュースとして衣替え編集し,乎成8年1月号及ぴ4月号の二号を各地区研究会に発刊配付した。また,これに加えて弊会の会員名薄を作成し,各地区研究会の窓口を通じて会員に配付した。
3.事務局機能の強化のため,平成8年4月より事務局スタッフを業務委託にて導入し,事務局業務を助成させた。
4.昨年度の通常総会における会員資格の規約変更にともない,各地区研究会を通じて正会員ならびに準会員,賛助会員の再募集をおこなった。その現況は,別紙資料のとおりである。
8.財務委員会
財務委員会でば従来の活動に準じて,本年度も学術誌「玉函」,学術総会大会誌等の編集及び発刊を助成するための財務活動として,漢方関連団体に対する賛助広告の募集をおこなった。その結果,別紙賛助企業一覧表のとおり継続では20社,また新規に4社からの賛助(計371万円※内未収金30万円)を得ることができた。
9.法人設立準備委員会
法人設立準備委員会は,主に7名の理事委員をもって構成し,約月1回の割合で委員会を開催し,法人化のための条件整備に関する以下の活動をおこなった。
1.公益法人の認可取得を前提に,また弊会本部機能が十分に整備されていないことに鑑み,法人 化のための体制整備をはじめ,公益事業の展開に向けた組織づくりに関する委員会案を作成し,本 年7月に開催された定例理事会に上申した。
2.主務官庁となる厚生省の法人設立の窓ロヘの折衝をはじめ,上層部への働きかけは吉峯顧間弁 護士が中心となって進め,認可申請への下地づくりを大きく前進させた。
3.法人化の実現を促進するためには,弊会の構成母体となる各地区研究会や関連団体の支援が不 可欠であるため,法人設立準備委員会委員長が精カ的に下記の団体を訪問し,法人化の趣旨説明 や支援要講をおこなった。
・地区研究会
・東京漢方教育センター役員会 ・東海漢方協議会例会
・山口漢方研究会例会 ・かんぽう会例会
・広島漢方研究会例会 ・京都漢方研究会常任理事会
・日中医薬研究会々長
・関連団体及ぴ機関
・日本生薬連含会総会 ・日本薬剤師会々長
・日本漢方協会々長 ・元沼津薬剤師会々長
・愛知県生薬会総会
4.各地区研究会を通じて,所属会員に日本漢方交流会への正会員加入を働きかけ,会員の獲得に努めた。
10.中堅幹部研修会
日本漢方交流会の事業活動を担って行くための中堅幹部の育成を目的とした「中堅幹部研修会」は,本年度は岡山市において3月2日・3日の両日にわたり,各地区からの参加者を含め総計15名で合宿研修を行った。今回の研修会では,「小柴胡湯の副作用」間題に対する討論会をはじめ,顧間弁護士による「交流会の法人化課題」や「薬局運営」についてのレクチャーなどを交えて研修会を実施した。
平成9年度事業計画
☆事業方針の総括
日本漢方交流会は,規約第4条に定める『東洋医薬学に関する研究の発展を図り,東洋医薬学の進歩普及に貢献し,あわせて会員の親睦を図り,もって国民の健康の増進と保持に寄与する』ことを目的に掲げ,過去30年の長きわたって営々たる活動が行われて来た。その間の歳月の流れは決して平穏均一なるものではなく,これまで多くの志ある諸先驚のたゆまぬ苦闘と研鑽によって,その歴史が築かれて来たことを忘れてはならない。しかしながら近現代における高度情報化社会の到来や社会構造の変化,さらに経済活動の停滞などにより,薬系漢方を取り巻く社会環境は大きく変化し,このような状況の中で会員自らの活動領域を発展的に拡大して行くためには,柔軟かつ多様な対応が可能な社会組織が必要である。そのため弊会が,従来の任意団体から公益法人を志向したのは周知のとおりであり,この重要なる懸案事項も現在実現に向けて鋭意努力中である。本年度は法人化実現のための具体的作業に入ることとなるが,そのための条件整備は本年度事業の重要課題として取り組んで行かねばならない。また今後の事業活動においては旧来の任意団体としての組織思考を改め,法人化実現後には文字ど
おり薬系漢方分野における公益活動を多元的に推進して行ける組織づくりをめざさねぱならない。
このような観点から本年度の事業計画では
(1)事業部門の活動は,規約の目的事業を具現化する事業内容となるよう,その条件整備に努めて行く。
(2)公益法人としての事業活動が可能となるよう組織体制の充実を図って行かねばならないが,本年度はそのキーセクションとなる事務局の体制整備を行う。
(3)また,事業活動を支えて行くための財源確保として,新規会員の獲得と収益事業の実施を計画実施して行く。ことを主要課題として,事業活動に取り組んで行くものとする。
☆事業部門の事業計画
◎基本計画
任意団体として現在の日本漢方交流会が行うべき事業は,規約第5条に定められた各種事業であり,従来よりその取り組みは委員会制度によって行われて来た。今後弊会が公益法人に移行してして行く過程では,公益法人の社会的存在理由の面からも,規約に定められたこれらの諸事業の実施が必要なる要件
となって来る。そのため,事業活動を担う各委員会においては,企図する現行事業と規約第5条の事業項目との整合性を図り,かつ時代や社会の二一ズに適合した公益性のある事業計画を企画実施して行かねばならない。この課題を視野に置きながら,本年度は法人化の実現作業を優先させ,これと並行して各委員会が規約の目的事業を具現化して行けるよう,各委員会における会論の形成と意思の統一を図り,次年度に向けた事業の計画策定にカ点を置いて行くものとする。
◎実施計画
○全国学術総会
日本漢方交流会の全国学術総会は弊会が行う諸事業の中でも,「東洋医薬学に関する研究の発展」を体現して行く最大規模の事業活動である。この学術総会もすでに過去28回の開催実績を重ね,本年度は京都漢方研究会が開催推進団体となり,『承継と改革』を大会スローガンに掲げて平成8年11月30日及ぴ12月1日の両日にわたって開催して行く。大会への参加者総数は官民及ぴ弊会内外を含めて約500名を見積もり,著名学識者による特別講演や「民間薬について」のシンポジウム,「ストレス社会と漢方」をテーマとした研究発表などを開催企画している。
○学術研修本部
弊会学術研修本部の本来的な役割は,薬系漢方分野のおける会員の知識・技量などの学術能力を高めて行くことにある。この役割を組織的に果して行くためには部内体制の充実をはじめ,学術研究及ぴ修学活動を通じた社会的な貢献の方途を確立して行くことや,漢方古典の研究などによる学術知識のストツク,さらに会員に対する能力向上のアプローチ方法など,今後に向けて取り組むべき課題は多くある。本年度ば,これらの課題解決に向けて会内の理論形成や具体化のための検討を積極的に進め,近未来に早期解決ができるようその準備活動に入りたまた,これとともに具体的な取り組み活動して,昨年度に引き続き以下の事業を行うものとする。
1.「問違いやすい繁用類語の判別に関するガイドプツク」の制作実現に向け,その編集業務を行う。
2.「初心者漢方ガイドブツク」の制作実現に向け,さらに調査研究と編集を進める。
3.会員著作による学術誌の編集と弊会からの刊行について会内検討を進め,今後の出版システムを確率して行く。
○学術誌編集委員会
弊会が実施する学術誌の編集及ぴ発刊事業は,規約に定められた「東洋医薬学の普及」を具現化して行くための重要な事業であり,代表的なシリーズ学術誌「玉函」はすでに14号の発刊実績を重ねている。今後もさらに編集業務の充実を図り,広範な発刊を企図して行かねばならないが,本年度は『腰脚の病』をテーマに編集を進め,500部〜1,000部の発刊を実現したい。なお,前年度の会員資格の改定により,学術誌「玉函」は正会員には無料頒布とし,準会員及ぴ一般には有料頒布とした。
○称号認定委員会
称号認定委員会では,本年平成8年11月3日に開催された臨時理事会において承認された「認定制度新規約」に基づき,新制度による認定委員会の早急に設置し,認定制度の質的充足と量的拡充を図るとともに,法人化実現後の認定制度の在り方について研究検討をおこなって行く。具体的な活動として,本年度は以下の事業を実施して行く。
1.平成6年度称号取得者155名全員の資格更新と,新規申請者の増大をめざして,各地区研究会における称号運動の目的理解の促進を図り,新規約の内容の周知徹底や団体指導者ならぴに会員の協力支援を求めて行く。
2.平成9年度の更新者の中で,初年度取得者の特例による見做し称号の適正化を極力進め,またそれとともに対応策としてその発表機関を具体的に考慮し,実行に努めて行く。
3.各地区研究会に新設の称号取得運動担当者を設け,緊密な交流を図りながら前記1及ぴ2の実現を図って行く。
4.多年にわたり準備して来た懸案のコンピユーター化を促進して行くために,事務局との連携のもとにフォーマツトの改善を図って行く。
5.称号取得者の修学意欲を高揚すべく,学術部門の支援を得てその助成に努める。
○新組織開設特別委員会
弊会がめざす「東洋医薬学の進歩普及の貢献」のため,これに賛同する地域における潜在会員の掘り起こしと,その活動拠点となる地区組織の開設は今後も積極的に取り組んで行かねばならない。よって本年度は昨年度に引き続き,北海道・奈良・滋賀等の地区研究会の開設準備に動く団体に対して,地区組織づくりを積極的に支援して行くものとする。また地区研究会組織開設の動きがない東北地域及ぴ北関東地域などについては,各地のキーマンとなる人材との交流を図り開設準備への啓蒙に努めて行くものとする。
○総務委員会
本年度から弊会本部に,事務局の組織機能が正式に設置されることにより,これまで総務委員会が担って来た事務局的業務は移管されることに鑑み,総務委員会では以下の活動を主たる業務として実施して行くものとする。
1.日本漢方交流会の重要な組織機能である,会員総会・理事会・評議員会などの会議機関の計画準備・運営開催を担当し,これらの会議機関が有機的に機能して行くために,事務処理の高度化と効率化に努めて行く。とくに理事会は弊会の責任機関となるため,会議を四半期毎に開催し,経営課題の問題解決が円滑に進むよう,その準備と開催に力点を置いて行きたい。
2.昨年度より機関誌として発刊替えした「金匱速報版」は,対内的にも対外的にも重要なコミユニケーションツールとなるため,組織活動の情報伝達を中心とした紙面の充実を図り,年4〜6回の刊行回数で編集企画と発刊に取り組んで行く。
3.今後弊会が公益的な事業を発展的に拡大して行くためには,新規の正会員及ぴ準会員・賛助会員の獲得など,より有為な人材の集合を図って行かねばならない。またこれらは財源形成の観点からも恒久的な取り組み課題である。そのため本年度は,機関誌やリーフレツトによる入会広報の強化や,新組織開設特別委員会と共同し地区研究会の新設による新規会員の獲得をめざして行く。
4.昨年度に実施された規約の改変により,会員資格の登録が改めて実施されたことにより,新会員名簿を作成する。
○財務委員会
これまで財務委員会は,主に弊会が発刊する学術誌等への広告掲載の協賛団体の確保に努め,弊会の目的事業を実施するための財源補完に大きな役割を果たしてきた。今後の法人化の推進と実現後の組織運営にあたっては,公益事業の積極的な拡大とそれに伴う組織強化の面で,健全なる財源の構築ばますます重要な取り組み課題となる。そのため財務委員会では,本年度は以下の事業を行う。
1.財務委員会の委員メンパーの充実を図り,今後の財源構築に向けたより実効的な諸施策づくりに取り組んで行く。
2.交流会事業の補完的役割を果たすための,現行の組織規模で対応して行ける収益事業の企画検討を行う。
3.広告掲載の協賛団体の獲得は従来どおり実施し,本年度は約500万円の協賛金確保を目標に,新規協賛団体の獲得に努めて行く。
○法人設立準備委員会
日本漢方交流会の社団法人化は,本年度よりいよいよ具体的な事務作業の段階を迎えることとなる。そのため法人設立準備委員会では,本年度内の法人化実現に向けて以下の活動を行うものとする。
1.法人化の推進に向けては,薬系漢方に関連する諸団体の理解と支援が不可欠の要件であるため,これらの団体を訪問し支援要請のための折衝作業に当たる。
2.法人化作業は,所管官庁となる厚生省の担当窓口との事務折衝の段階に至っているため,事務局とともに必要申請書類の整備・作成の作業を行い,顧間弁護士を通じて厚生省への認可取得活動を行う。
3.社団法人として事業を展開して行くためには,現行の事業活動を社会背景や時代二一ズに適合した公益事業を構築して行かねばならない。そのため委員会活動を活発にし調査研究や理論形成・事業模索を行う。
○中堅幹部研修会
中堅幹部研修会は,日本漢方交流会の目的事業を中核となって推進して行く会員育成の研修機関であるが,従来は主に薬系漢方に関わる学術知識の取得を対象として,年1回の割合で研修会が実施されて来た。本年度は,本来の研修目的を達成できるよう以下の活動に取り組むものとする。
1.地区活動の担い手となるリーダー育成のため,本年度は教育研修情報の収集と調査に力点を置き,研修カリキユラムの作成とその確立の作業を行う。
2.教育研修機関としてその実施能力を備えて行くことを前提に,本年度は事務局との連携により会員及ぴ潜在会員を対象とした「薬局経営セミナー」の数次開催を企画し実施して行く。
☆管理部門の事業計画
◎基本計画
日本漢方交流会が任意団体として,また近い将来には公益法人として,その目的事業を実施して行く上では管理部門の組織強化は必要不可欠の要件であり,とくに事務局の体制整備は緊急の課題である。これまで弊会は,役員の改選毎に本部及び事務局が移設され,また事務局専従者も不在のまま理事による業務分担によって事務局業務が実施されて来た。しかしながら,法人化の実現という重要な取り組み課題を前にして,今後は課題実現のためにも本部事務所の固定と事務局の内実づくりを急がねばならない。また,弊会の業務執行の責任機関である理事会についても,現下の多様な時代二一ズに柔軟かつ多元的に対応して行くために,今後は外部の専門家や有識者を理事として積極的に招聘できるだけの環境整備と内部コンセンサスを図って行くものとする。
◎実施計画
・事務局
本年度は法人化の実現作業や弊会事業部門の活動を円滑に進めて行くために,事務局の体制整備として以下のことを行う。
1.本部事務局を,愛知県名吉屋市中区千代田5丁目21番14号の住所に置き,事務局事務所を賃借によって設置する。
2.事務局専従スタッフとして,薬系漢方分野に明るい人材を1名採用し常駐させる。
3.各地区研究会事務局とのコミユニケーションを緊密にし,交流会活勤に関する情報の共有化を進めて行く。
4.法人化の実現に必要な申請書類の作成など事務レペル作業を担当し,法人設立準備委員会との共同のもとに厚生省との事務折衝を支援して行く。
5.総会・理事会・評議員会などの会議開催に必要な情報収集,資料作成等を行う。
6.本部事務局の設置により,会計業務は名吉屋市内所在の会計事務所に委託されることとなるが,同事務所との共同により経理業務を支援して行く。
先日の臨時理事会(11月4日)は会長の小川先生もビデオ映像による御意見発表での参加と、並々ならぬ真剣さで取り組まれ、また理事の先生方からの率直な意見も聞かれ非常に有意義な集まりであったと思います。林理事長の法人化への不退転の決意も表明され、あらゆる意味で参加された理事の先生方は今後の身の振り方を真剣に再考されたことであろうと思います。法人化を実現し本会が社囲法人として正常に運営されてゆくためには、その経済的恒久的な安定のために正会員の今に倍する獲得が不可欠であります。そのためには多くの人々に本会が法人化をして何をしようとしているかをさらに具体的に示し賛同を得るように努力しつつ、指導者、牽引車の立場にあるものが真剣に正会員の勧誘獲得に動かなければならない。私自身は交流交際範囲がせまいので、ジレンマに苦しんでいるが、とりあえず徳島和漠薬研究会に声をかけて見なければならないと考えている。そのほかにも物理的には大票田となるのは、京都漢方と日中医薬研究会であろうと考えている。この二つの研究会のみならず其の他の研究会にもさらなる正会員獲得の努力をしてもらわなければ、法人化は砂上の楼閣となってしまう
であろう。小川会長もかって金匱20号の初頭言としても述ぺられていたが、我々薬剤師漢方家の自分達が置かれている行政的位置を見る目が曇っているのではないか?と言われたように、我々薬剤師は明治以来の100年の不遇な日月により本来の自分達の職能を職能として主張し権利を獲得する自覚と意欲に欠けていると思われる。今、気が付いた者が警鐘を鳴らし実行に移らなければ誰がそれを行うであろうか。平成の世に古き良き時代のアテイカーとしての薬剤師は存命しないのであろうか?時代が変わって来つつあるのは事実である。それでば現在はともかく未来に向かって古い時代の幻想をかなぐり捨てても、新しき薬剤師像を構築して行くために今じっくりその姿を考えその実現のために努力しなければならない。西洋医学は500年かけて様々な物を残してきたが、未だに人間の自然治癒力以上の治療法ば生まれて来ていない。それは現代医学の治療法というものの研究方向が自然の法則に逆行する方向に向かっているからである。東洋医学(漢方医学)が何故現代に通用するかと言うと、それはその治療法そのものが人間の自然に順応する自然治癒力を高め引き出す方向に集約されているからに
他ならないのである。薬物の用い方も、その病理、生理学も診断学もすべて一本の自然治癒力、環境に順応する能カの不調を見つけ、その不調を改善するという英知に集約されているのである。我々漢方医学を学び、その事実を知り得た者としては、現代の薬剤師の業務内容には激しく矛盾を感じるのである。現代医学のおよそ不毛な薬物治療の一端を担わされ、何もかも医師(現代医学)の診断処方に従わされている事実。医師の下請け仕事のような処方せん調剤等、少なくても現在のような姿では、全く意欲は湧かないのである。現代医学の世界にあったとしても、薬剤師としての責任で声を大にして世間に伝えなければならないことがある。それは漢方を勉強する者のみの責任と特権であるかも知れない。一般の薬剤師の多くはあまりにも現代の医薬の危険性、またその使われ方の薬潰けと言われる危険性に鈍感である。まるで一般庶民と変わらない。また看護婦を始めとした医療従事者、勿論医師も含むが、それらの人達が日常的に薬(現代医薬)を摘み食いのように安易に服用している事実を知っているが、私は常々それを見てそのあまりな無知さ加減に心を痛めてもいます。それらはいくら飲んでも、
結局は身体を蝕んでゆくものに他なら無いことを知らないのです。我々漢方家は、このように現代の医療界の現実を見ると、西脇先生、鉄村先生の言われているような事を大いに啓蒙して、食事から始まってその生活態度、疾病にかかった時の対策から、人間が自然に逆らわず健康に生きてゆくためのトータル的な思想の転換と改善がなされてゆくための努力をしなければならない責任を感じるのであります。勿論、医師の中にも我々と同じような考えのものが最近は多く現れて来ています。WHOの伝統医学または現代医学の代替医学の研究と推奨、ホリスティツク医学思想の台頭など、日本よりも世界に目を向けると、すでに真剣に多くの医学者が21世紀に備えて警鐘を鳴らしています。日本は厚生省の責任が非常に大きいと考えています。医療保険制度の矛盾を抜本的に解決する努力を避けて、医療費節約の為のみに姑息な政策をしているように見えます。もっと根本的に制度を改革する、痛みをともなう政策を打ち出さなければ手遅れになるやも知れません。介護保険制度も聞こえは良いけれども、結局は現代医学の尻拭いを医家以外の処でやらせようとしているに他ならないものであります。一番大事
な予防医学に何故もっと積極的な政策的な動きが見られないのでしようか?癌や成人病の初期検診をすすめるよりも、そうならないための英知を何故もっと掘下げないのだろうか、疑問に思います。食物にしても危険が一杯です。厚生省と農林水産省との横の繋がりは全く無いのでしようか。現在の農協の在り方など矛盾だらけです。大蔵省が農協の体質を考えないでただ金融安定のためだけに援助するのは疑問です。
(社)日本漢方交流会はどのような設立主旨をもって作られようとしているのだろうか?
(1)日本薬剤師漢方の現実と問題点に対する解決策は。
(2)保険医療漢方エキス剤の使用状況の問題点の解決策は。
(3)若い新しく薬剤師になった人達の将来、その問題意識に答える為には。
(4)一般社会の医療意識の混乱に対する対策は。
(5)良識的医療担当者との連携策は。
(6)21世紀を見据えての全人的医療の研究方針は。
(1)日本薬剤師漢方の現実と間題点に対する解決策は。
日本の漢方専門家の実力は薬剤師によるものに留まらず、医師によるものも、中国 韓国の漢方家、其の他、漢方医学と同系列と考えて良いと思いますが、著明な伝統医学であるチペット医学、アーユルペーダー医学の専門家と比べて臨床的実力はかなり低いようです。この原因を考えて見なければならない。第一の原因は日本における東洋医学専門家の行政的位置身分である。現代医学の欠陥を補完するという代替医療としての位置付けが明確でな
く、現代医学に漠然とした不満不安感を持った大衆に対して、このような病態、このような疾病には東洋医学が最も適していますよ…、などという正しい情報公開がなされていず、一部のマスコミが興味本位に喧伝しているにすぎない状態であると言うことです。その証明は国立の医学教育機関である大学等に正式に漢方医学の教育システムが実施されていないということです。勿論薬学部門においても同じであります。まじめに漢方医学の研究に取り組んで努カしている者達はその立場を主張する権利と責任及ぴ希望があります。東洋医学会における漢方専門医、漢方交流会における認定制度もその目的により実施されたものであると思います。そのように責任ある立場で漢方医学を実施しようとしている者には、大衆にその存在を主張する責任と義務があり、不真面目な態度あるいは漢方の精神をふみにじるような偽漢方家を排斥する責任もあります。これらの偽漢方家が社会的制裁を受けるためには、正しい情報を権威のある立場から、例えぱ厚生省などから一般大衆に広告されるようでなくてはならない。それが不十分であれぱそれが行われるように、責任のある立場のものはそれなりの方策を考えて実
行しなければならない。これが漢方交流会の法人化の第一の目的であります。それが実施されれば、およそ漢方の専門家と名乗るものは必然的にその技量実カが批判されるため勉強するより仕方がなくなり、おのずから資質は向上するはずであります。その次に問題になるのは、医師による漢方医学の臨床的実践と薬剤師による、但し今論ずべきは我が日本における薬剤師による場合でありますが、その薬剤師による漢方医学の実践の方向は必ずしも同じではありえないという、身分及ぴ制度上の限界を考えなければならないということです。薬剤師の漢方が医師による漢方に劣るのか?、その臨床の現場においての様々な状況の分析が必要です。あらゆる漢方臨床をゴッチヤにして一律に薬剤師の漢方家が優れているか、医師の漢方家が優れているかを比較することは出来ません。ただ我々薬剤師が漢方臨床を行う場合に今後厳密に医師には出来ない立場での、薬剤師であるからこその立場での漢方臨床姿勢を確立してゆく努カが必要であると考えています。将来の医学界がどのように変貌してゆくかは今のところ全く不明です。日本における薬剤師の医療担当者としての位置を考えてみるに、21世紀を見つめ
て最もこれから必要になると思われる、全人的医療(癒しの医療)により近い立場にあるのは、日本に限り医師よりもさらに大衆に近い薬剤師であろうかと思います。ここであえて言う!「薬剤師漢方治療の適応症を見つめ直すべきである」疾病に対して素人である患者が、ただ現代医学治療に対する不満と不安からのみ治療を依頼してきたものに対して、まず心の不安を解消すぺく全人的医療の立場で相談にのれる薬剤師漢方家でなければならない。「病そのものの価値観」「何故人は病むのか?それを通して人は何を学ぶことが示されているのか」「死に至る病を得て人は始めて救われることもあるとはいかなることか」「病と共存するとば?」それらの疑問に対して答えることの出来る漢方家であることがまず第一に漢方を学ぶ者としての義務である。良医(大医)は国を治す。すなわち国医となることが現代の混迷した医療界に必要なことなのである。日本における現代医学界はそのあまりにも大きく肥大疲弊したシステムと権威主義によって一部の良識ある医師がそれを行おうとしても大変難しい状況にある。むしろ何の権威も無い我々薬剤師の方が、まともに患者と人間対人間として対等に向き合い病
気を通して人間の生きる道を考えるという立場が取り易くなっていることを、今大きな我々の武器としなければならない。
(2)保険医療漢方エキス剤の使用状況の問題点の解決策は。
私は小柴胡湯を始めとする漢方エキス製剤の誤用による死に至った副作用問題を聞くにつけ、漢方薬の使い方のみならず、現代の日本の医師の薬物の安易な使い方に根本的間題があると感じた。いくら保険による安価な医療で外来患者が多くて手が回らないといっても一端投薬されたものがどのように服薬されているのか?服薬された結果がどのようなものであるのか真剣に検索せず、漫然と長期投薬されそれだけで懲りず、患者が新しい症状を訴えればただ単純に症状改善の為だけの対症療法的薬物をさらに増加させるといったことが日常茶飯事に行われている。しかも薬剤師がそれをチェツクするシステムがあって無いがごとく医師の特権を振り同している。これで薬物による事故が起こらないのが不思議である。賢明な?患者が勝手に薬を選別して飲んだり飲まなかったりしているからに他なら無い。処方箋には処方薬物名を判読し難い乱筆で書きなぐってくる。これは薬物を軽んじている姿に他なら無い。また薬剤師はそのような処方箋を突き返す勇気も無い。何をか言わんや…である。漢方薬の使用基準を正しい漢方的診断によって行わなければならない。…と法規制しても、この体質が変わらないか
ぎりまたまた副作用事故は起こるであろう。漢方薬は病名症状によって用いられるものでないことは我々漢方家は百も承知であり、寒熟虚実のはっきりしない患者にはどれほど神経を使って投与しているか。もしいつまでも現代医学的診断によるのみで、東洋医学的診断を無視して漢方薬を投与し続けるのであれば、自然の産物である貴重な漢方薬の無駄でもあり、医療費の無駄でもあり、何をさておいても患者の生命が危険であるから、ただちに漢方薬を保険適用から除外すべきである。厚生省の責任は重大である。
(3)若い新しく薬剤師になった人達の将来、その問題意識に答える為には。これは現代医学に偏重した若い薬剤師に、「癒しの医学」の重要性を啓蒙しなければならない。また漢方医療の特質を早急に出来るだけ平易にテキスト化して教えなければならない。これからの21世紀を支える、真の薬剤師像を考えその権利を獲得するための意欲を惹起させなければならない。
(4)一般社会の医療意識の混乱に対する対策は。
薬剤師会がそれを真剣に行わないのであれば、我々はその漢方的英知でもってそれに答えなければならない。「未病を治す大切さを今こそ声を大にして訴えるべきである」
(5)良識的医療担当者との連携策は。
我々漢方交流会は社団法人化にあたっては、東洋医学会などを越えた自然医学全般を網羅した研究団体にならなければならない。世界中に目を向けることが大切である。今、WHOでは大々的に世界中の民間伝承医学に、現代医学の代替医学としての位置付けによって、現代医学の見失ったより人間の自然治癒力を重視した医療として熱き視線を向けている。また、それらの重要性を説く思想にールを送っている。我々漢方交流会もただ漢方医学、漢方医療にのみ固執していてはならない。
(6)21世紀を見据えての全人的医療の研究方針は。
まさに交流である。他山の石を学ぶべきである。医師は冷たい石…であってばならない、患者の安心する温かい人に優しい石…医師であらねばならない。
(紙上討論をしたいと思います。御意見の有る方は本部事務局まで投稿お願い致します)