日本漢方交流会 第四回若手育成研修会

於・東京都庭園美術館大ホール
協力・東京漢方教育研究センター

 夏を感じさせる暖かい陽気の中、五月二六日)日本漢方交流会による第四回若手育成研修会が開催された。会場には漢方医の卵、約一〇〇人が集まり、将来のための勉強を行った。

 日本漢方交流会は一九六八年に創設された薬剤師、薬種商を中心とした薬系漢方の団体である。
 会員数は正副合わせて一三九二人、研究会一八団体が加盟している全国組織である。
 会の活動の一つとして、「東洋医薬学普及のための研究会及び学習会の開催」が掲げられており、今回の研修会もその一環として行われた。

 今回は、「漢方薬局を開局する人のための研修会」と題して実習・講演が行われた。会は、午前と午後の部に分かれ、午前には当帰芍薬散の処方の実習、午後には寺島衛先生(日本漢方交流会理事)と仁池米敏先生(日本漢方交流会副理事長)の講演が行われた。


先生方の指導のもと当帰芍薬散を調剤する参加者

 実習に移る際に参加者全員が白衣に着替え、秤や生薬などを用意している光景はまるで化学の実験を思わせるものだった。

 今回処方する当帰芍薬散は、芍薬、茯苓、沢瀉、白朮、川、当帰によって製され、月経不順、月経痛、更年期障害、産前産後の障害、足腰の冷え症などに効能がある。

 参加者は仁池先生はじめ諸先生方の指導のもと、生薬を計り、紙に乗せ、包むという一連の作業を行った。今回調剤された漢方薬はそのまま薬局に並べることができる形になっており、実際に即した実習であることがうかがわれる。

 午後からは、まず寺島先生から「漢方薬局開局マニュアル・漢方専門薬局経営ノウハウ」の講演が行われた。漢方薬局開局のための手続きや費用、そろえるべき物から、薬局の間取りや宣伝方法など、なかなか普通には知ることができない貴重な話を聞くことができた。これから漢方薬局を開局しようと思っている若手の漢方医の方々にとって非常に役立つ講演であったといえるだろう。


実習を指導する寺島先生

 次に、仁池先生から「漢方薬を効かせるコツについて」という演題で、お話がなされた。「虚とは何か? 実とは何か?」といった、基本的なことであるが、それだけに重要なことについて、参加者達と問答を繰り返しながら、抽象的な言葉としてではなく、具体的な内容をもった言葉としての「虚」「実」を説明された。さらに、先生が最近出版した『漢方処方方意集』(たにぐち書店)を参考としつつ、今回実習で調剤した当帰芍薬散についての具体的な方意や適応などについてのお話があった。なんとなく分かったつもりでも、漢方の奥は深い。そのことを改めて思い起こさせるような"目からウロコ"の講演であった。


講演中参加者に質問を行う仁池先生

文章は月間・漢方療法より転載しました

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